シミ対策に有効な四大成分を知っておこう

第三類医薬品のシミを消す薬は、さまざまな種類の商品が販売されています。成分表を見てみると、商品によって配合されている成分が異なっているのがわかります。色んなシミ消し薬の成分表を見ていくと「これは定番の成分なんだな」と思われる四大成分があることに気付くでしょう。

それがL-システイン・アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム・コハク酸d-α-トコフェロールです。この4つの成分が配合されているシミ消し薬は大変多く、3つしか配合されていない薬も存在します。それだけこの4つの成分にはシミを消す効果が見込まれているということなんですね。

一体、どの成分がどんな役割を果たしてくれているのでしょうか?順番に成分の効果や副作用などをチェックしていきましょう。

それぞれの主な効果・副作用・摂取量をチェック

それぞれの成分の主だった作用などを表にまとめました。詳しい解説に移る前に、こちらの表で簡単に成分のことを知っておきましょう。

 主な効果 過剰摂取による 副作用  推奨・上限摂取量
L-システイン チロシナーゼの働き・産生の阻害 【軽微】 白髪の発生
【重篤】糖尿病の誘発
 【推奨・上限】体重1kgにつき15mg
※世界基準による数値
アスコルビン酸
(ビタミンC)
 チロシナーゼ活性化の阻害
黒色メラニンを褐色化
 【軽微】吐き気や下痢
【重篤】尿の潜血反応、尿管結石などの誘発
 【推奨】成人女性100mg
【美容効果目的】2000mg以上
パントテン酸カルシウム
(ビタミンB5+カルシウム)
脂質・糖質・タンパク質をエネルギーに変換
健康な皮膚を保つ
 【軽微】下痢、腹部膨満感  【推奨】成人女性4~5mg
【上限】30mg
コハク酸d-α-トコフェロール
(天然型ビタミンE)
 抗酸化作用による光老化の予防、改善  【軽微】むくみ、下痢など消化器官の不快感
【重篤】骨粗しょう症、筋力低下
 【推奨】成人女性6.5mg
【上限】650~700mg

こちらでの「主な効果」では、シミや美肌に関する事を記載いたしました。これらの成分には、ここに記した以外の働きもあります。それでは、順番に詳しく見ていきましょう。

L-システイン

第三類医薬品のシミ消し薬には必ずと言っていいほど配合されている成分、L-システイン。L-システインはなぜこんなにも多用されているのでしょうか?

実はL-システインを主成分とした薬が発売された当初は、今のようにシミを薄くするためのものではありませんでした。それは一体どんな効果があるのか?見ていきましょう。

L-システインの主な効果

L-システインを主成分とした薬は、もともと二日酔い改善のために作られました。肝臓を解毒するという作用があるので、肝臓の働きを活発にして体に残っているアルコールの分解を早めてくれるのです。その後の研究の結果で、L-システインにはシミを薄く効果があることがわかりました。

かんぱん以外のシミは主に紫外線によって発生することがほとんどです。なぜそのようなことが起こるか簡単に説明すると、紫外線を受けることによってあらゆる因子が発生し、最終的にチロシナーゼという酵素を生成されます。

このチロシナーゼが原因となって、メラニン色素が生成されることになってしまうのです。このチロシナーゼが産生され、活性化することを防止してくれるのがL-システインです。

更に肝臓の働きを良くして血行を良くする効果もあるため、肌のターンオーバーを促す役割もあります。年齢を重ねると血行不良となり、代謝が落ちて、肌のターンオーバー周期が遅くなってしまっている人がほとんどです。そのせいでメラニン色素が沈着した角質が落ちず、そのまま定着してしまうのです。

そのため、肌のターンオーバーを活性化して表面の古い角質を落としていくことで、メラニンのない角質を表面に押し出すことができます。この作用はL-システインによるものだけではなく、ビタミンB群やビタミンEにも期待できる効果です。こうした2つの効果でシミを防止し、薄くしてくれるのがL-システインです。

L-システインの副作用

L-システインの副作用として一番に心配されることは、白髪が発生するということです。髪の毛の黒さもメラニンから成る物なので、メラニン色素を薄くすることで白髪が発生する副作用がある、と言われています。

また、チロシナーゼの働きを阻害してメラニンを無色化する過程において、活性酸素が増える可能性があるとも。活性酸素は体内で増えすぎてしまうことによって肌だけでなく、内臓などの老化現象を進行させてしまいます。

こうした「長く飲み続けると起こるかもしれない美容に関する副作用」に対抗するには、逆の効果がある栄養素を併用する必要があります。例えば1つ目の白髪対策にはビオチンが、2つ目の活性酸素対策には抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンEなどを併用することで予防できるようです。

これ以外にも、飲んですぐ発生し得る副作用として、吐き気や下痢といった消化器官に関する副作用が考えられます。こうした副作用が発生した場合、過剰摂取、もしくはL-システインそのものが体質に合わなかったことが考えられます。服用を中止するか、量を減らすかしましょう。

それ以外にも、長期間の服用によって糖尿病を誘発するといった重篤な副作用がなどがあるようです。このような副作用に関しては発生すること自体がまれですが、起こるとかなり辛い目に遭う可能性があります。

服用して気分が悪いと感じたらすぐに服用を中止すること。そして、糖尿病の可能性がある人は医師に相談してから服用するといった工夫が必要になります。

L-システインの一日の摂取量について

日本で販売されているシミ消し薬のL-システインの最大含有量は240mgです。ほとんどのシミ消し薬にはこの最大量の240mgが配合されており、少ない物だと160mgほどになります。

L-システインの1日の推奨摂取量は体重1kgにつき15mg程度と言われています。つまり、体重50kgの人であれば750mgということになりますね。

しかし、これはWHO(世界保健機関)が定めた数値であり、日本人の体に適合しているとは言い切れない数値です。海外製のサプリメントでは500mgや1,000mgのL-システインが摂取できるサプリメントがありますが、人によっては過剰摂取となってしまい、上で説明した副作用を発症しやすくなります。

シミ消し薬にはL-システイン以外にもさまざまな成分が含まれていて、それぞれの相乗効果でシミを淡色化していきます。L-システインのみの効果ではありません。「推奨摂取量までまだまだ大丈夫だから」という理由でたくさん服用するのは控えておきましょう。

アスコルビン酸

次にシミ消し薬によく配合されているのはアスコルビン酸です。アスコルビン酸とはビタミンCの粉末のことなので、アスコルビン酸の含有量=摂取できるビタミンCの量と考えて問題ありません。

ただし、アスコルビン酸カルシウムの場合は少し異なります。ビタミンCにカルシウムを加えているのがアスコルビン酸カルシウムです。アスコルビン酸カルシウムと表記されている場合は、表記されている分量そのものがビタミンCとして摂取できるわけではありません。1000mg中100mg程度がカルシウムとなります。

アスコルビン酸の主な効果

アスコルビン酸・ビタミンCは健康、美容のあらゆる部分に役立ってくれるとても優秀なビタミンです。シミに関する効果だけに言及すると、メラニン生成されることを防止する効果、すでにあるメラニンを無色化する効果が期待できます。

まずメラニン生成の防止についてですが、L-システイン同様にチロシナーゼに対して働きかけてくれます。チロシナーゼそのものの生成の阻害効果はありませんが、チロシナーゼが活性化することを阻害してくれます。そのため、メラニン色素が発生し辛くなるのです。

その次にメラニンを無色化する効果についてです。ビタミンCにはすでにできてしまった黒色メラニンを褐色化する還元作用があります。黒くなってしまったシミを薄くしてくれるということですね。

更にメラニンをメラニンになる直前のドーパキノンをドーパという更にもう1つ前の状態に戻してくれます。このことによってメラニン色素が少なくなり、シミが薄くなるんです。

このことによって完全に無色透明になるわけではありません。薄くなったシミがターンオーバーによって剥がれることによって完全にシミがなくなることとなります。

アスコルビン酸の副作用

副作用と言うわけではありませんが、ビタミンCのこうしたシミへの作用を確実に得るためには、ビタミンCを多量に摂取する必要があります。

最初に書いた通り、ビタミンCは美容だけでなく健康のためにも消費される栄養素です。ビタミンCを摂取しても美容よりも先に、健康のために消費されてしまいます。体にとって、健康は美容よりも優先であり、摂取した栄養素は全て健康のために利用した後で、余った栄養素を美容のために消費するようになっています。

だからと言って、過剰に摂取しすぎてしまうと副作用が出ることがあります。ただの栄養素だからと言ってなめてかかってはいけません。

軽微な副作用であれば、吐き気や下痢などの消化器官への問題があります。消化器官への副作用が発生するのは、過剰摂取で起こる場合と、空腹の状態でビタミンCを摂取した場合に起こり得ます。

ビタミンCはそれなりに刺激がある成分なので、その刺激に消化器官が負けてしまうんですね。そのため、ビタミンCを飲む際には空腹の状態で飲まないようにしましょう。食事の後がベストです。

重篤な副作用もあります。まず1つ目として、尿の潜血反応が起こることが考えられます。これは普段感じることはないかもしれませんが、健康診断などで指摘をされて再検査を受けることになることもあります。

ビタミンCは肝臓で分解される栄養素の1つです。それを大量に摂取することで、肝臓への負担が大きくなってしまい、一時的に尿に潜血反応が出ることがあります。もしビタミンCを日頃から摂取している場合、健康診断前に一言そのことを伝えておきましょう。

こうして普段から肝臓を酷使することで、肝臓の働きが悪くなることも考えられます。そして肝機能が低下し、まれに尿管結石などの病気を誘発することがあります。

ビタミンCは水溶性のビタミンですから体に蓄積されることはありません。そのため、一度に多量摂取しなければ問題ありません。美容のためとは言え、大量に摂取することは避けるようにしましょう。

アスコルビン酸の一日の摂取量について

アスコルビン酸・ビタミンCの一日の推奨摂取量は成人女性で100mgだと言われています。しかし、100mgでは健康効果も美容効果も感じない人がほとんどであることがわかっています。実際、シミ消し薬にもアスコルビン酸は100mg以上含有されていることがほとんどです。

ビタミンCの適正量は個人によって差が大きく、一概にどれだけ摂取すれば効果があると言い難い栄養素です。健康目的であれば800mgが妥当だと言われています。美容目的となるとそれ以上となり、一説によれば2000mg以上摂取しなければ美容効果は得られないとまで言われています。

しかし、800mgで美容効果を感じる人もいれば、800mgで副作用を感じる人もいます。ビタミンCに関しては少しずつ摂取量を増やしていき、自分の体感でベスト量を測るのが一番です。

ただ、ビタミンCにはストレス耐性を高めてくれる効果もあります。ストレスの多い現代社会では多くの人がビタミンCを大量に消費しがちです。シミ消し薬に入っているぐらいの量を摂取したところで過剰摂取になる人はほとんどいないようです。とは言っても、異常を感じたら服用を中断してくださいね。

パントテン酸カルシウム

パントテン酸カルシウムは薬の名前としてこう呼ばれていますが、その正体はビタミンB5+カルシウムです。主にビタミンB5を摂取する目的で使われています。ビタミンB5に限らず、ビタミンB群は補酵素として役立ってくれるとても優秀な栄養素です。

その優秀なビタミンB群の中でシミ消し薬にビタミンB5であるパントテン酸カルシウムが積極的に利用されているのはなぜなのでしょうか?摂取することによって得られる詳しい効果を見ていきましょう。

パントテン酸カルシウムの主な効果

パントテン酸、ビタミンB5の主な役割は、脂質や糖質、タンパク質を分解してエネルギーに変えてくれたり、健康な皮膚、粘膜を保つ働きをしてくれたりといったところです。「脂質をエネルギーに変える」という特性から、美肌のためではなくダイエットに利用されることも少なくありません。

シミ消し薬でパントテン酸カルシウムが配合されているのは主にビタミンB5の効果で健康な皮膚を保つ働きを期待してのことです。肌が健康であればターンオーバーも正常化されやすく、メラニン色素がこびりついた古い角質をどんどん落としていくことができます。

また、脂質を分解してくれることで、皮脂に含まれる脂分を少なくしてくれます。皮脂に脂分が少なくなると、毛穴の詰まりや広がりを予防することができ、ニキビ肌改善にも繋がります。

糖質やタンパク質を分解することも糖化現象(肌を黄色くくすませ、固くする現象)を防止するのに一役買ってくれます。きれいな肌に不要な物をどんどん排除してくれる優秀な栄養素なんです。

パントテン酸カルシウムの副作用

パントテン酸カルシウムはビタミンB5が主体となっています。カルシウムは微量であるため、パントテン酸カルシウムの摂取でカルシウムによる副作用を起こすことはまずないでしょう。

ビタミンB5も水溶性ビタミンなので、体内にためておくことができず毎日排出されていきます。そのため、副作用が出ることは一度に過剰摂取しない限りめったにありません。

もし副作用が発生するとすれば、下痢やお腹の膨満感、吐き気といった消化器官に関する問題です。パントテン酸カルシウムを過剰摂取した自覚がある時にこのような症状が出た場合、摂取量を抑えるようにしましょう。

パントテン酸カルシウムの一日の摂取量について

パントテン酸カルシウムの一日の推奨摂取量は、成人女性で4~5mgとなっています。上限摂取量は30mgです。

それに対して、シミ消し薬に含有されているパントテン酸カルシウムの量はほとんどの場合で24mgです。上限摂取量ギリギリの量ですね。これだけ摂取すれば、美容への効果を見込むことができるでしょう。

コハク酸d-α-トコフェロール

最後はコハク酸d-α-トコフェロールについてご紹介いたします。コハク酸d-α-トコフェロールとは天然型ビタミンEのことで、これを含有しているシミの飲み薬もパントテン酸カルシウム含有と同じぐらい見かけられます。

パントテン酸カルシウムとコハク酸d-α-トコフェロールは、L-システインやアスコルビン酸ほど「シミ消しに必須!」という成分ではありません。「入っていた方が効果的」だとされている成分といった立ち位置です。

コハク酸d-α-トコフェロールの主な効果

コハク酸d-α-トコフェロール、ビタミンEの主な効果は「抗酸化作用」。抗酸化作用とは、体内に発生した活性酸素を抑制するといった働きのことです。アンチエイジングには必要不可欠な物だと言われています。

活性酸素は強い酸化力を持っており、体を外からの刺激から守るためのものです。ところが、酸化力が強すぎるがために増えすぎた時に体内を酸化させてしまいます。結果、細胞や血管などを傷付けて肌の老化を促してしまいます。

昨今では「光老化」という言葉が使われるとようになりました。これは太陽の光を浴びることによって肌が老化する現象のことなのですが、この光老化は活性酸素が原因だと言われています。紫外線を浴びると活性酸素が体内に増えてしまうのです。

光老化には、シミ・シワ・肌のハリの低下などが挙げられています。こうした肌の光老化を抑える効果のため、シミ消し薬ではビタミンEが利用されることが多くあります。

コハク酸d-α-トコフェロールは「天然型」のビタミンEです。天然型は合成型よりも抗酸化作用が強いので、シミの飲み薬などの美容系医薬品以外に活力系医薬品に含有されることが多くあります。

コハク酸d-α-トコフェロールの副作用

ビタミンEは脂溶性ビタミンです。水溶性のビタミンCやビタミンB群のようにすぐに流れていってしまうことはありません。そのため体内に蓄積しやすく、過剰摂取による症状を起こしやすいビタミンです。とは言っても、他の脂溶性ビタミンと比較すると体内に留まる時間は短く、過剰症状を起こすことも少ないとも言われています。

ビタミンEの過剰摂取に関しては諸説あります。もともとビタミンEを過剰摂取することによって発生し得る副作用は胃の不快感ぐらいだと言われていました。最近になって、むくみや下痢といった軽度のものから、骨粗しょう症や筋力低下などの重篤な副作用があるという論文が発表されました。

ビタミンEにはビタミンKの代謝を阻害する作用があるようで、それがビタミンKの不足に繋がるようです。ビタミンKは骨を形成したり健康を維持したりといった作用がありますので、働きを阻害することによって骨粗しょう症などの骨の健康問題が発生し得るというわけですね。

ビタミンEは若返りビタミンと呼ばれて美容に気遣う女性に重宝されている成分です。しかし、ビタミンEのサプリメントを複数飲むようなことは避けておきましょう。

ココナッツオイルやアーモンドといった美容に良いとされている食品にもビタミンEは多く含有されています。薬を飲む際はこれらの食品の食べ過ぎにも注意してください。

コハク酸d-α-トコフェロールの一日の摂取量について

過剰摂取によって重篤な副作用を引き起こす可能性があるビタミンE。一日の推奨摂取量は成人女性で6.5mgとなっています。しかし「推奨摂取量を超えたら過剰摂取」というわけではありません。

ビタミンEの上限摂取量は成人女性で650~700mgとされています。この摂取量を超えなければ過剰摂取になることは少ないとされています。

しかし、栄養素による副作用は大きな個人差があります。「何か気分が悪い」と感じたら薬の服用を中断するようにしましょう。

四大成分、全てが含まれていないといけないわけではない

L-システイン、アスコルビン酸、パントテン酸カルシウム、コハク酸d-α-トコフェロールにはシミを淡色化したり、肌荒れを回復して健康な肌を取り戻したりする効果があります。そのため、シミ消し薬には配合されていることの多い成分です。

しかし、この四大成分が全て配合されていなければならないというわけではありません。四大成分以外にもシミを淡色化するために効果的な成分が存在していること、研究開発によって次々と新しい成分が開発されていることを忘れてはいけません。

最初に薬を選ぶ際の指標としてこれらの四大成分が含まれているか否かをチェックすると薬が選びやすいでしょう。1瓶飲んだ後は、どんな効果を体感したか?を考えて、どの成分が最も自分に効果的であったか確認してみましょう。